『騒人』(騒人社)昭和2年10月号

村松梢風個人雑誌」と書かれたこの雑誌を閲覧。

  • 特集「カフエーの流行」
    • 小島政二郎「カフエー断片」
    • くにえだ・くわんじ「洋茶肆雑記」
    • 佐々木指月「猛獣カフエとぺい」
    • 水鳥爾保布「カフエ回想」
    • 畑耕一「カフエといふもの」
    • 南幸夫「男と女の話」
    • 酒井眞人「カフエ訣別の辞」
    • 小野賢一郎「女給時代」
    • 松崎天民「現代カフエー大観―附カフエー女の過去と現在―」

これらの随筆の下に、アンケートへの回答が載せられている。

  • アンケート:カフエー是非

質問は

(一)最近カフエーの暴流行に対する御感想。
(二)貴下はどんなカフエーをお好きですか。実例があれば屋号を。
(三)カフエー女給是非。

回答者は…堺利彦、小野賢一郎、笹川臨風上司小剣長田幹彦、山本久三郎、高島米峰、松居松翁、高須芳次郎、佐々木指月、佐藤惣之助、新井格、巌谷小波、阪井久良岐、水守亀之助、村田嘉久子、宮島資夫、高畠素之、邦枝完二、森暁紅、野依秀一、大辻司郎南幸夫、畑耕一、宮川曼魚、生田葵、江馬修、松村英一、小酒井不木、宮田修、渡邊均、石川欣一、藤森成吉、橋爪健、加藤武雄、初瀬浪子、松崎天民、沖野岩三郎、水木京太、大槻憲二、白井喬二平山蘆江林田亀太郎、鈴木文史朗、片岡鉄兵坪内士行徳川夢声岡本綺堂、都河龍、サトウハチロー、伊藤仁太郎、本山荻舟、無名氏、中村吉蔵、池部※(金偏に「均」の右側)、明石潮、長谷川伸、若宮卯之助、城戸四郎、村松正俊、水島爾保布西條八十、安成二郎、島中雄作、田中貢太郎白柳秀湖、千葉亀雄。

『騒人』(騒人社)昭和2年1月号

  • 芙蓉窓「政治の倫理化」

署名は「芙蓉窓」だが、巻頭コラムだし、村松梢風か。
次のような歯切れのよい文章に(ただ歯切れがよいだけではない文章に)グッとくる。
検索で出てくるのもアレなので、一部アルファベットに改変してしまいました。ごめんなさい。

……SEITOU政治の腐敗を説いてSEIJIの倫理化を絶叫するのは決して悪いテーマぢやないが、そんな事は誰だつて知つてる。問題は只此の平凡なテーマを活かすか活かさないかといふ点だけだが、後藤さんは殺してゐる。気の毒だが活かす道を知らない。是れを活かす唯一のカンフルは信念である。さう云ふと後藤さんは必ず鼻眼鏡を光らせて「我輩不肖と雖もKOKKAに奉ずる信念は余る程有つてゐる」と威丈高になるだらうが、それは舊式だ、抽象的信念だ。現代ではもう流行らない。もつと事実に即した、更に云へば後藤さん自身の生活から生れ出た言葉であるなら、飾らなくても人は感銘する。……

『騒人』(騒人社)昭和2年8月号

清水の次郎長/カフエーの女/モダンガール/タイガーの女/時世の流れに/所謂チヤブ屋/新「淪落の女」