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こないだの講演会で話題に上がっていたインタビューであるが、10時間もかかるインタビューなのだろうか。いや、そういうところがまさに10年前であるってことか?
インタビュアーは目黒考二。
坪内 『旧幕新撰組の結城無二三』(中公文庫)の作者、結城礼一郎もぼくが追いかけている一人ですね。
――それは何者ですか。
坪内 結城無二三の息子です。
――そう言われても(笑)。
後半では、
坪内 資料をもう少し集めてから書き出すつもりでいます。その意味では、後楽園球場も書きたいですね。
――後楽園?
坪内 結城礼一郎がかかわっているんです。
――あの結城無二三の息子ですね。
それから、
――ということは、いまの廣瀬千香『思ひ出雑多帖』についても、あまり紹介されていない?
坪内 知っている人は知っていますが、あまり知られていないでしょうね。
――坪内さんもお書きになっていないんですか。
坪内 廣瀬さんのことは、「思想の科学」に去年書きました。
あと、
――実家においてある本と、ここに置いてある本とでは、何か区分があるんですか。
坪内 ここに置いてあるのは文化史関係の本ですね。明治関係とか。
――昔から集めている?
坪内 いや、七〜八年前からじゃないかなあ。
――最初のきっかけは何ですか。
坪内 何ですかねえ。戦後のもので面白いものは何となくメドがついたからっていうのがあったかなあ。
ここは、最近では山口昌男さんとの関係で説明されているところではないだろうか。これから10年経って、戦前のもので面白いものにもメドがついてしまったのでは、と、余計な心配をする必要はないんだけど。
――何年生まれですか。
坪内 昭和三十三年生まれですから、三十八歳です。
――それから、またぶらぶら?
坪内 そうです。
――ということは、三十八年間で働いたのは「東京人」にいた三年間だけになりませんか。
坪内 そうですね。ずっとぶらぶらです。(略)