森見登美彦夜は短し歩けよ乙女』(角川書店)2006

近所のチェーン店にて購入
前から気にはなっていたこの小説。
短く書けるから先に感想を書くと、うーん、インチキくさい。言葉づかい(特に漢字)も、会話も、町も。「三丁目の夕日」的ハリボテ感というか、奥行きがないというか。まあ、カバーの絵のイメージ通りだった。
こういうものが文学だというのなら、僕はやっぱり文学など求めていないことになる。
某社の助っ人日誌で、この作品をめぐる会話で「もうついてけないって思ったから読むのやめた」とあって、俺はその人の感覚をかなり信頼しているので、その信頼にしたがっていればよかったんだけど。ちなみに俺は40ページで投げ出した。これ以上読んでも、俺には感じるものはないだろうな、だって俺、こんな女の子に萌えないもの(というか別に小説を読んで萌えたくないもの)。まあ萌えなくても、せめて「翔んでるガール」の輝きが感じられるのであればいいんだけど、インチキくさく感じるから、それもない。
ところで、あの日の助っ人日誌、「その日に名前を使われた人」が書いたのだろうか、それとも「いつも書いている人」が名前を借用してそれっぽく書いたのだろうか。もし後者だとすれば、その「いつも書いている人」を尊敬する。すごく「その日に名前を使われた人」感がある文章だったから。