阿部次郎『人格主義』

角川文庫 昭和29
東京古書会館・和洋会(書肆ひぐらし)にて購入
書き込み有。俺はわりと線を引いたり書き込んだりしながら読むほうなので、大抵こういう本は買わない(自分で引いたのか分かりづらいから)。しかし、この本はかなり熱心に、線を引いたり、キーワードを囲ってみたり、分からない単語を調べてその意味を書き込んだりしてある。一番後ろの「角川文庫目録」にまで、マルを付けたりしている。そして、奥付けのところに買った日付け(?)まで書いてある。昭和三十一年四月二十五日。中々の達筆だ。そして「藤村」というはんこ。トウソン、であるわけはないが。
しかし、何でここまで熱心に読んだ本を売ってしまったんだろう。文庫で、しかもここまで書き込んでいたら、大した値段にはならなかっただろうし、文庫でも薄いほうだから、わざわざ処分しなくても、と思ってしまうのだけど。本人が売ったとは限らないが。