板垣進助『この自由党!前篇 民衆なき政治』

理論社 1952年
東京古書会館にて購入

 板垣進助とは、何ものであるか?―著者の高名であることを重く見る、わが読者のために、まず、この『知られざる筆者』はその自己紹介からはじめねばなりません。
 かれは、占領下の七年、そのペンに鎖をつけられていた、日本の新聞記者たちの集合名刺なのです。わたしたちは、国民に告げねばならぬ真実を、どんなに多く、黙って見すごさねばならなかったことでしょう!そしてまた、そのためにわたしたちの心は、どんなに傷んだことでしょう!