『彷書月刊』2006年5月号

紀伊国屋書店本店にて630円で購入
今更ながら買ったわけだけど、自分が聞いていた対談が、どういう風に文字に起こされるのか、中々興味深い。
細かいことを書き始めたらきりがないけど、「(笑)」って、便利なようで便利じゃないな、と思った。「(笑)」と書くと、なんだかどの「(笑)」も同質に見えてしまうけど、岡崎武志さんの「(笑)」と坪内祐三さん(なんだか打ち慣れない)の「(笑)」は違う(どうでもいいようなことだけど、トークセッションを聴いていたときに、そこが一つのポイントだと思ったのである)。
まぁそれはどうしようもないとしても、ちょっと、「(笑)」を多用し過ぎだと思う。
たとえば、

坪内 安易。ぼくは、猫を使いはじめたらもの書きとしては堕落だと思います(笑)。

とか、

坪内 岡崎さんは現役で古本屋さんを回ってらっしゃるけど、じつはぼく自身は、古本屋そのものへの興味が薄れてきているんです。東京堂の棚の補充のためだけに回っているような感じで(笑)。 (どちらもp.10から引用)

とか、ここで「(笑)」をつけてしまうと、一気にニュアンスが変わってしまう。どちらも、本気で言っている、或いはニヒリスティックな部分であると思うんだけど、「(笑)」がつくことによって、なんだか仲間内でのリップサービスっぽい発言になってしまっている。