『論座』2006年4月号

三省堂書店大垣店にて購入
今月号から、書評欄が一挙に拡大された。拡大されたのだけど、あまり歓迎できない。というのも、11本中9本が去年発売されたものだからだ。『マルチチュード』にいたっては10月である。枠だけ広げたって、これではどうしようもないと思う。

高橋 スピードかクオリティーかというは重要な問題ですが、僕は基本的に書評はスピードだと思っています。できればゲラで読んで、増刷してもらうのが作家のためになる、僕もそう考えるんですね。(p.70)

こういう発言を載せているからには、その発言を受け止めてもらいたい。月刊誌とはいえ、スピードって大事だと思うし。
歓迎できない理由はそれだけではない。拡大したせいで、とは言い切れないが、書評欄以外ではほとんどが硬派な特集になってしまった。硬派な特集を表に出しながらも、裏に面白そうな素材の記事がちらほらあったのに。リニューアル以降、先月号を除いて毎号買っているけれど、一体どこに向かいたいのか、いまいち分からない。
今月号では再び「U-40」で特集を組んでいる。でも、うーん、つまらない。「日本橋の首都高は醜いのか」はちょっと面白かったけど、これは俺が同意見だからかもしれない。日本橋なんてほとんど行く機会がないけど、小泉首相のような人が「日本橋に青空を」なんていうのは許せないし、ね。そういえば、前回の「U-40」特集で執筆していた中から芹沢一也さんだけ連載が始まった。まぁ、順当だろうと思う。