『週刊文春』3月9日号

文藝春秋発行
阿川佐和子のこの人に会いたい」(春風亭昇太)が中々面白かった。「直撃ワイド14本 親子がドラマだ!」という特集も、さほど必然性を感じないながらも、そこそこ面白い。中川秀直次男の話は、自分の地元ということもあるし。
それに比べて、つまらなかったのが椎名誠の「風まかせ赤マント」だ。普段読んでいないから、今回がつまらなかったのか、いつもつまらないのか、わからないが。ともかく、「時代に取り残されている私」という切り口を、最もありふれた形で使っているから、何にも面白味がない。「取り残されたフリをして実は取り残されてない人」であれば、素材が新鮮なんだけど、ネタにしている素材も古い(いまさらスイカだなんて)。もし「本当に取り残されてしまった人」であれば、何かを浮かび上がらせることができるんだろうけど、中途半端に取り残されているものだから、どうにもならない。ニューヨークがいいなら移住してしまえばいいのに。
もう一つ、これは毎回つまらないと思うのだけど、「清野徹のドッキリTV語録」。今回だと、ヒロミの「でもねえ、このオジサン酔ってくると可愛いオジサンだからね」という発言を取り上げて「だがヒロミよ、自分がオジサンと呼ばれる年になってることに気付けよ」と書いているが、何も分かっちゃいない。俺もこの番組を見ていたが、このとき「オジサン」=タモリが暴走していて、出演者も、そしておそらく多くのフツウの視聴者も、引いていただろう。実際、俺も笑えなかった。そのどうしようもない空気を救ったのがヒロミのこの発言だ。それに、ヒロミ自身も、自分がオジサンと呼ばれる年だなんて自覚した上であえてこう発言したはずだ。