『かりあげクン トリビュート増刊』

双葉社発行。駅前の本屋にて購入。単行本ではなく、雑誌である。
多くの作家が描いているが、しりあがり寿富永ゆかりさそうあきら小田原ドラゴンあたりがよかった。伊藤理佐神奈川のりこ、南のりこ、唯洋一郎石原まこちんなんかもわりとよい。臼井儀人江口寿史、高口里純、国友やすゆきあたりは反省して欲しい。
読んでいると、やっぱりトリビュートって難しいんだなと思えてくる。単に自分のものとして書けばいいわけではない。そういうギャップだけがあっても、笑うことはできない。逆にただ単に、絵柄がちがうだけで他はいつも通りのかりあげクンでもつまらない。噛み砕く必要はないが、噛んだあとくらいは見たいのだ。
そういうバランスが一番よかったのはさそうあきらである。一番笑えたのはしりあがり寿だが。
そういえば、この『増刊』には大沢在昌も寄稿している。この2頁目が中々良いこと言っている。ただ、中段で「実際の事象や固有名詞によりかからないというのは、説明するまでもないことだ」と述べられているのは、端的に間違いであり、それは雑誌の最後の頁で「『かりあげクン』に見る昭和平成25年」という企画が組まれてることからも明らかである。また前半の文で「私がいかに植田まさしファンであるか」を語っているところや、その次の頁で本の宣伝がされていること(これは単に双葉社としての宣伝でもあるのだろうけれども)、また「ファン代表」などと書いてあるところなどはどうしようもないが、「野暮を承知で」ということばもあるから気にしないでおこう。